早いもので今年も残すところあと一日… 世の中はゆく年くる年ムードですが、寿福酒造では仕込みが普段通り続きます。
11月21日の仕込み開始から、毎日元気に『武者返し』となるお米を仕込んでいます。
今回は、私たち寿福の仕込みのこぼれ話。
これまでもこれからも、感謝して地元米。
武者返しの仕込みに使うのは、すべて地元熊本のお米です。去年から寿福の酒造りに参戦した遠藤くん。今年初めて原料となるお米を見た時に、
「こんな良い米を使うのか!」
と驚いたそう。
それもそのはず。私たちはいつもそのまま炊いて食べても最高に美味しいお米使っているから。
だからこそ、
「こんなに贅沢なお米を使わせていただきありがとうございます」
と、毎年感謝しながら仕込みに取り掛かります。
毎日360
仕込み〜は続くーよーどこまでも〜♪
ということで、半年に及ぶ仕込みのうち前半3ヶ月は毎日お米を仕込んでいきます。休みはなし。
その量、一日360kg。
うち120kgが麹米になり、240kgが主原料になります。お相撲さん2、3人分です。
毎日蒸しあげ⇨移動⇨放冷⇨移動⇨麹付け⇨移動などなど、
各工程の作業場所に合わせて手作業でお米を動かしていきます。
全てが体力勝負!
360kgあるお米を長年愛用している竹ざるを使ってせっせと移動。
仕込み中、蔵からは筋トレをしているかのような掛け声が聞こえてくるはず。
毎年、自然に身体と精神が絞られていきます。
↑よくみる今風に言うと“フォトジェニック”なこの風景は、蒸し上がったお米を放冷している様子です。炊き立てのお米から立つ湯気はそれだけで食欲をそそります。
これだけ来る日も来る日もお米に触り、向き合っているとお米が嫌にならないんですか?とたまに聞かれるのですが、それでも昼飯は白米を食べたい。
それほどお米は私たちの真髄に根付いているものなのだと思います。
酒造りではなく、子育て
寿福酒造は読んで字の如く、酒造=酒造りの蔵には間違いないのですが、
私たちには「酒を造っている」とは少し違う想いもあります。
というのも、仕込みの材料はすべて自然からの恵みであり、
麹(こうじ)や醪(もろみ)に含まれる酵母は、それ自体が命を持った生き物。
私たちはそのお世話をしているだけ。
この子たちにとって一番良い状態は何だろうって考え、しっかりとした環境を整えてやる。
それが私たちが出来る「仕込み」だと思っています。
四代目杜氏である、母・絹子の言葉、
『寿福の酒造りは子育てのようなもの』
という真意はここにあります。
醪の仕込み中、毎晩点検をして回るのですが“ぽこぽこぽこぽこ”と音をたて発酵してる様子をみると、
「かわいかねぇ〜〜〜」
と、よなよな頬を緩ませてしまいます。まさに我が子。
発酵によって、毎日毎日、毎時毎時、うんしょっうんしょっと刻々変わっていく姿をみるときっと皆さんも
「かわいかねぇ〜〜〜」
と言ってしまうかも。
最後になりましたが、
2022年も皆さんに大変お世話になりました。
心から御礼申し上げます。
今年はいつもの仕込みに加え、ホームページ立ち上げ、寿福のカワラバン。初刊発行、SNSの立ち上げなど様々な新しいことにチャレンジした一年。
少しでも私たちの想いが届いていますように。
新しい年も今までと変わらず、皆さんがグッとくるような美味しい寿福のお酒を届けられるように尽力して参ります。
時節柄、ご多忙のことと存じますが皆さんどうぞご自愛くださいませ。
来年も変わらぬご愛顧をお願い申しあげるとともに、歳末のご挨拶とさせていただきます。
寿福酒造場 一同
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